モーグル
モーグルは、元々はノルウェー語で「コブ」という意味を持った言葉です。モーグル競技はその名の通り、洗濯板のように沢山のコブがついた斜面をかき分けるようにして駆け下りていく競技なのです。
モーグル競技が生まれたのは1960年代のことで、元々は上級スキーヤーの間での余興に過ぎなかったといわれています。
その頃のモーグルは「ホットドッグスキー」と呼ばれ、コブだらけの斜面がケチャップやマスタードを塗りたくったホットドックの表面に似ていることから名付けられたようです。
ホットドッグスキーは現在で言うところのフリースタイルスキーの要素を全て兼ね備えたもので、モーグル・エアリアル・アクロの三種目に跨った見せ物的な競技であったといわれています。
モーグルの公式ルールでは、使用するスキー板などの用具には特別な制限はありません。唯一、ヘルメットの着用のみが義務付けられています。
スキー板はアルペンスキー用でもノルディックスキー用でも構わないのですが、カービングターンや衝撃吸収を考えた場合は長めの板のほうが有利とされています。また、ストック自体も通常のものよりも短めのものの方が都合がよいとされています。
モーグルの競技内容
モーグル競技は、タイムと技術を判定材料として競い合う種目となっています。モーグルの特徴であるコブだらけのコースを滑走するための技術と、途中にあるキッカー(小型のジャンプ台)ごとに行う空中でのエア技、ゴールまでの時間の三種類が判定基準となっています。
モーグルの内容はコースに設置された二箇所のキッカーで、それぞれ異なるエア技の組み合わせによる演技を行い、ゴールを目指すものとなっています。
モーグル最大の魅力となるのがキッカーごとの演技で、難易度の高い技ほど評価が高く着地の成否やジャンプの高さも演技の評価に含まれています。
モーグル競技は、個人ごとに滑走し得点を競い合うシングル競技と、二人同時に滑走して競い合うデュアル競技に分けられます。
モーグルのコースは、公式には全長235m±35m、幅はシングル競技で20m±5m、デュアル競技で30m±5mとなっています。斜面は最大37度、最低20度で傾斜はやや急になっています。