スノボー
スノボーの発祥は、1965年に作られた冬季のサーフィン練習用具にあるといわれています。つまり、スケートボードと同じ起源を持っているスポーツ用具なのです。
ただ、スケートボードと違って当時のスノボーは新雪を波に見立てて滑るもので、サーフボードのようにフィン(ひれ)が付いていたため圧雪面では滑りにくいものだったようです。その後スノボーは改良が重ねられ、現在の形へと変化していったのです。
スキーと人気を二分するほどのスノボーの発展の原動力は、スノボー独自の魅力に集約されています。まず、「スノボーの滑走時の姿勢」が第一に挙げられます。スノボーでは、サーフィンと同じく半身に構えた姿勢が基本になるので、かっこよく見えるのです。
第二には「スキーでは出来ない滑り方が出来る」ことです。スノボーでは「トリック」と呼ばれる独特のテクニックがあり、見るものを圧倒するダイナミックさを持っています。
第三には「ファッション性の高さ」があります。スノボーのウェアは、1990年代から流行し定着したヒップホップ系のファッションを取り入れたデザインのものが定番となっており、スノボーウェアは文化を牽引する若者層にスノボーが受け入れられるための土壌となったのです。
第四には「スピード感」があります。スノボーは前述のように半身の姿勢を取ることで体感速度にも大きな影響を与えているのです。
ボード
スノボーの肝となるのはなんといってもボードです。ボードは大きく分けてフリースタイルボードとアルペンボードの二種類に集約されます。フリースタイルボードは、普段私たちが目にしているボードで、幅広でノーズ部分・テール部分がまったく同一の半円状になっています。
これは、フリースタイルの特徴であるトリックを行いやすくするためのもので、スノボーの魅力を存分に味わうことが出来るボードであると言えます。
アルペンボードはノーズの部分が大きく、全体的にスマートな形状になっています。アルペンボードはエッジの利きがよくカービングを行いやすい競技用のボードなので、中級者以上向けのボードであると言えます。
ボードを購入するときは、事前にボードの長さとボードのしなり具合を確認しておきましょう。ボードの長さは足から口の辺りくらいが目安になります。初心者は出来るだけ柔らかくしなるボードを選ぶようにしましょう。
スノボーの滑り方
スノボーはスキーのよりも滑れるようになるのが難しいといわれています。スキーの場合、基本となるボーゲンを覚えれば滑走と停止を一緒に覚えられますが、スノボーの場合だと滑り方も止まり方もまったく違うのでなかなか覚えられないこともしばしばです。
まず、大事なのは「転ばない立ち方」を覚えることです。スノボーでは両足を揃えた姿勢のままで滑るので、どうしてもバランスを上手に取らなければなりません。
転んでばかりで安全な転び方を覚えても滑り方が覚えられないのでは本末転倒になるのです。転ばない立ち方は、ボードと同じ間隔で足を開いて立ち、膝を曲げて前後左右に上体を揺らすなどして転ばないための重心制御と共に体得しましょう。
重心の取り方を覚えたら、今度はボードを使ったスケーティングを覚えていきます。スケーティングとは、ピンディングに片足だけを固定して自由なほうの足で漕ぐように地面を蹴って進む滑り方です。
スケートボードやキックボードで前進する時の様に、自由な方の足で勢いをつけていくのです。スケーティングの際は、前傾して固定した軸足に体重を乗せるようにします。
スノボーのマナー
スキーヤーにしてみれば、「スノーボーダーはマナーの悪い邪魔者」であるという見方が強くあるようです。その理由としては、「ボードを足から離してしまっても自分で停めようとしない」「すぐゲレンデで長時間座り込む」「滑走禁止区域に入り込む」などが上げられます。このようなマナーを守らない人にスノボーをやる資格はありません。
まず、スキー場でスノボーをする場合「リーシュコード」と呼ばれる紐で足とボードを繋いでおくのが常識と言えます。リーシュコードは、ピンディングを開放してもボードが離れていくのを防止する役割を持っているのです。
第二に、転んだらすぐに起き上がることを心がけましょう。ゲレンデは、常に後ろから人が滑ってきているのです。いつまでもゲレンデに座り込んでいたら後続の人の迷惑になります。
第三に、「滑走禁止の場所に入り込まない」ことです。滑走禁止になっているのは、危険があるからなのです。新雪を独り占めにするためにあるのではないのです。