歩くスキー

歩くスキーは、クロスカントリースキーで使用される踵が持ち上げられるピンディングを装着したスキー板を使用するレクリエーションの一種として親しまれています。
スキーは速さや技術を競い合うためではなく、移動手段として使用されるので初心者でも安心して参加できるため、愛好者も多く居ます。
歩くスキーは、冬において非常に優れた交通手段として機能します。雪が積もった道で自転車を走らせると、タイヤが雪に取られたり雪が絡み付いてペダルが重くなったりすることが度々です。かといって、雪が固まっている車道を走らせると雪で道幅が狭くなっていて危険です。
スキーの場合、雪が積もっている道も雪が固まっている道も同じように滑ることが出来るため、安全に歩道を歩くことが出来ます。また、スキーで通った後は雪が固まるので後の歩行者に歩きやすい道を作ることにもつながります。

歩くスキーは愛好者の多さから、多数のサークル・グループが存在しています。このことから「歩くスキーを楽しむためにはどこかのサークルに入らなければならない」と考える人が多く見られます。実際のところ、歩くスキーは「一人で楽しんでも大人数で楽しんでも構わない」のです。
歩くスキーでは、一人の時間を楽しむために行うのも、同好の仲間と共に同じ目的をもって行うのも、自由なのです。

歩くスキーの魅力

歩くスキーが多くの人に親しまれているのには幾つかの理由があります。まず挙げられるのが「冬に出来る運動」という面です。
通常のアルペンスキーでは、ゲレンデを数回滑るだけでも相当に体力を使いますが、全身運動になるほど身体を使うと言うわけではありません。
歩くスキーの場合、通常の歩行運動を大きなアクションで行うので全身運動として機能します。第二には「自然とのふれあい」です。

アルペンスキーのゲレンデの自然はごく限られたものになりますが、歩くスキーでは森林の中をゆるやかに滑走するので冬の動物の姿や樹氷などの冬ならではの自然の光景を楽しむことが出来ます。第三には「技術を必要としない」ことです。
基本的な走法は歩行の延長線上にあるので、初心者でも30分ほど練習すればコツを飲み込める程度の易しさです。そして何より、「自分のペースで楽しむことができる」ことです。
ゲレンデでは途中で休むことは周りの人の妨げになってしまいますが、歩くスキーの場合雄大な自然の中で行うので疲れたときにすぐ休むことが簡単に出来るのです。

クロスカントリー

クロスカントリー(cross country)とは、英語で「山野を横断する」という意味を持つ言葉で、その名の通り整備されていない山や起伏のある野原などをフィールドとして行われるスポーツです。その為、陸上競技やカーレースなどにもクロスカントリー競技が存在しています。
クロスカントリースキーはノルディックスキーに属する競技種目で、ゲレンデではなく山林の間を縫うように駆け巡る競技となっています。
大会で行われる場合は、規定された距離に応じたコースが決められており、コースに沿って滑走しゴールまでのタイムを競い合います。

クロスカントリースキーでは、同じくノルディックスキーに属するスキージャンプと同じく、踵を持ち上げることが出来るピンディングが使用されます。
これは、アルペンスキーと違ってクロスカントリースキーは傾斜によって生まれる運動エネルギーで滑らないので、歩行する時のように踵を上げてつま先を持ち上げる動きで前進するための工夫になっています。
スキージャンプの場合、風の抵抗を弱めるために足に対して一定の角度を保つようにする必要があるため、踵が持ち上がるピンディングを使用しています。

スキーオリエンテーリング

オリエンテーリングは、スタート地点からゴール地点の間にある「コントロール」と呼ばれる通過点を全て通過してゴールするまでのタイムを競うスポーツです。
コントロールはどのような順番で通過しても構いません。オリエンテーリングでは、地図を正しく読み取る力や最短ルートを見つけ出す洞察力、コースを走破する体力が要求されます。

クロスカントリースキーを使うスキーオリエンテーリングの場合、移動速度などは通常のオリエンテーリングを凌ぎますが、スキーオリエンテーリングにしかない難しさが存在しています。
それは、選択したルートの幅です。スキーオリエンテーリングの場合、クラシカル走法とスケーティング走法の限定はないものの、スケーティング走法では通れない幅のルートが出てくるのです。
距離的には最短のように見えてもスケーティング走法で通れないルートを通ってしまうと、遠回りでも道幅の広いルートを選んだチームにタイムで負けてしまうこともしばしばです。こういった難しさがスキーオリエンテーリングの魅力でもあるのです。

PR